家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2020/02/20


 農地法の適用を受ける登記上の地目が“田”である土地を相続した場合の手続きについて、教えてください。




 父から相続した不動産の中に、市街化調整区域内の資材置場が含まれています。登記上の地目は“田”ですが、固定資産税の課税明細書には“雑種地”と記されています。親族に確認したところ、元々は田として耕作していたそうですが、父が平成の初め頃に農地転用の許可を受け、自身で営んでいた事業のための資材置場として使用していたようです。このような土地を相続した場合、何か手続きが必要でしょうか?




 農業委員会への届け出義務があります。その他、登記地目を現況に合わせるのであれば、地目変更登記を行うことができます。




1.農地法による規制

 市街化調整区域内にある田や畑などの農地を駐車場や資材置場など農地以外の用途に変更することを“農地転用”といい、農地法により以下のような規制が行われています。

農地法 事由 申請者 許可権者
第4条 農地について権利を有する者が自己使用目的で使用する場合 転用する者(農地所有者等) 都道県知事または指定市町村の長
第5条 農地を転用する際に所有権等の権利の移転・設定(土地の売買や賃貸借など)を伴う場合 農地所有者と転用事業者(売主と買主、貸主と借主)

 この農地法の許可を受けずに農地を無断で転用する、あるいは許可通りに転用していない場合は、農地法違反となります。農地法違反となれば、工事の停止や原状回復等の命令が下されたり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という刑事罰が適用されたりすることがあります。

 ご相談のケースの場合、お父様が許可を受けたのは、農地法第4条だと思われます。

2.ご相談のケースの場合の手続き
(1)農業委員会への届け出

 次のような土地も“農地”として、農地法の規制の対象となります。

  • 登記地目が“田”などの農地で、耕作の事実がない土地
  • 登記地目が“雑種地”で、耕作の事実がある土地

 そのため、ご相談のケースは“農地”として、農地法の規制の対象となります。

 農地の転用を伴わない農地の所有権移転や賃借権の設定等を行う場合は、原則として農地法第3条の許可が必要です。ただし、相続により農地を取得した場合は、この許可は要しません。

 その代わりというわけではありませんが、2009年(平成21年)12月に施行された改正農地法により、相続により農地を取得した人は、農業委員会への届け出が必要です。

(2)地目変更登記

 登記地目を現況に合わせるため、地目変更登記を行うことができます。

 地目変更登記は、通常、土地家屋調査士に依頼をします。この場合、農地法第4条に基づく許可を受けた際の許可証が必要となります。もし許可証が見当たらないようであれば、その許可が現在まで取り消されていないことの証明書を対象地の所在する市町村の農業委員会から取得し、この書類を代用することで申請することができます。

 なお、今回は農地転用の許可を受けていたケースですが、農地を無断転用していた場合でも、相続人が原状回復義務を負ったり、刑事罰を受けたりということは、通常ありません。この場合、事後的に申請を行うことにより追認的許可を得られることがあります。このようなケースに該当する場合には、まず対象地の農業委員会の窓口に相談されるとよいでしょう。


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